何かが違う。何かが。何が違うのかを説明できるわけではない、だが確実に、何かが違う……。
世界、社会、集団、職場、ありとあらゆる場所に散りばめられたそういう違和感。あるいは人が書いた文章を読むとき。人と話しているときの自分の言葉たち。
欲しているものがそこにないから思うのか?
現実は常に何かが足りず、欠けているのだろうか?
自分の居場所はいつも「ここではない」のだろうか?
何もしっくりきていないのに、当然これで合っていますみたいな顔をしていることが気持ち悪い。
初めて購入したぬいぐるみはレオレオニのフレデリックだったが、抱きかかえたとき、確かに絶対これだ、と思ったのだ。その時のことをずっと覚えている。
10代の頃から、人生で確信をもてることは何か、考え続けている。必ずそういう手触りがするのだ、と知っている。婚姻届に確信をもてなかったから、指輪を買うことにしたように。